TikTok LIVEで報酬を受け取るようになったら、気になるのが税金のこと。配信でもらった報酬にかかる税金は、自分で申告して納める必要があります。

この記事では、確定申告が必要になるラインを、会社員・学生・配信が中心の人に分けて整理します。経費の考え方、開業届と青色申告、申告の時期もまとめました。主に2026年(令和8年)1月〜12月に稼いだ分を、2027年に申告する場合の話です。稼ぎ方そのものは「TikTok LIVEで稼ぐ方法」で紹介しています。

税金の扱いは、一人ひとりの状況で変わります。ここで紹介するのは基本的な考え方なので、迷ったときは税務署や税理士に相談してください。


まず押さえたい「収入」と「所得」の違い

確定申告が必要かどうかは、多くの場合「収入」ではなく「所得」で決まります。

  • 収入:1年間(1月1日〜12月31日)に受け取った報酬などの合計
  • 所得:収入から、その収入を得るためにかかった経費(必要経費)を引いた額

たとえば、TikTok LIVEの報酬が年30万円で、配信の機材などの経費が12万円なら、所得は18万円です。経費をきちんと記録しておくことが、正しく申告するための第一歩です。


確定申告が必要かどうかの目安

あなたの状況所得税の確定申告
会社員・アルバイト(給与を1か所からもらい、年末調整を受けている)給与以外の所得の合計が20万円を超えたら必要
上と同じで、給与以外の所得が20万円以下原則として不要。ただし住民税の申告が必要
給与がない(配信が中心の人など)所得の合計が、基礎控除などの所得控除の合計を超えて、税金が出るなら必要

給与を2か所以上からもらっている人などは、条件が少し違います。

給与がない人の目安

給与がない人は、所得の合計から所得控除を引いて、税金が出るかどうかで決まります。所得控除の一つ「基礎控除」は、ここ2年の税制改正で大きく変わりました。

合計所得金額2025年(令和7年)分2026年(令和8年)分
132万円以下95万円104万円
132万円超 336万円以下88万円104万円
336万円超 489万円以下68万円104万円

2026年分の金額は、2026年12月1日から始まる改正によるもので、2026年に稼いだ分から使えます。たとえば2026年の所得が配信の分だけで、ほかに所得控除がない人なら、所得が104万円以下であれば所得税はかかりません。社会保険料などを払っている人は、その分の控除も加わります。


会社員は「20万円」がライン

給与を1か所からもらっていて、年末調整を受けている会社員は、給与と退職金以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要です。

この20万円は、収入ではなく所得(収入−経費)で数えます。配信だけでなく、ほかの副業の所得もすべて合計します。

20万円以下で申告がいらない人でも、医療費控除などのために確定申告をするなら、配信の所得も一緒に申告しましょう。20万円のラインは「申告しなくてもいい」条件で、申告するときに省いていいという意味ではありません。

会社によっては、就業規則で副業を制限していることがあります。配信を始める前に確認しておきましょう。


20万円以下でも住民税の申告が必要

所得税の確定申告がいらなくても、住民税の申告は別に必要です。住民税は、所得の大小にかかわらず、給与と合わせて計算されるからです。

  • 所得税の確定申告をした場合:住民税の申告も済んだことになるので、別の手続きはいらない
  • 所得税の確定申告をしない場合:お住まいの市区町村に、住民税の申告をする

申告の時期や方法は市区町村によって違うので、お住まいの市区町村のホームページで確かめましょう。


学生・扶養に入っている人の注意点

TikTok LIVEで配信できるのは18歳以上です。大学生などで親の扶養に入っている人は、配信の所得によって、親の税金が変わることがあります。

  • 扶養控除:親が扶養控除を受けられるのは、子どもの合計所得金額が62万円以下のときです(2026年分。2025年分は58万円以下)。配信の所得がこれを超えると、親は扶養控除を受けられなくなります。
  • 特定親族特別控除:19歳以上23歳未満なら、合計所得金額が123万円以下までは、親が特定親族特別控除を受けられることがあります。控除の額は、子どもの所得が増えるほど少しずつ減ります。
  • 健康保険の扶養:税金の扶養とは別のルールで決まります。親の勤務先の健康保険に確かめましょう。

配信の収益が増えてきたら、年末を待たずに家族に伝えておくと、親の年末調整などで慌てずに済みます。


雑所得か事業所得か

TikTok LIVEの報酬は、多くの場合「雑所得」か「事業所得」のどちらかになります。

副業として続けている配信の所得は、ふつう「業務に係る雑所得」です。一方、配信が仕事と呼べる規模とやり方で行われていれば、事業所得になります。

目安になるのが帳簿です。取引を帳簿につけて保存していない場合は、原則として雑所得になります(収入が300万円を超えていて、事業と認められる事情がある場合は別です)。

業務に係る雑所得事業所得
目安副業として続けている仕事と呼べる規模と中身がある(帳簿をつけて保存しているなど)
青色申告特別控除使えない条件を満たせば最大65万円
赤字になったときほかの所得と相殺(損益通算)できないほかの所得と損益通算できる

雑所得でも、前々年の収入が300万円を超えると、請求書や領収書などの書類を保存する必要があります。1,000万円を超えると、申告のときに収支内訳書なども付けます。


経費になるもの

経費になるのは、配信で収入を得るために必要だった費用です。

経費の例考え方
マイク、カメラ、照明、キャプチャーボードなどの機材配信のために買ったもの
通信費、電気代私用と兼ねているなら、配信に使った分だけ(按分)
企業案件の打ち合わせや撮影の交通費配信の仕事のために使ったもの
配信の背景やサムネイルの素材、編集ソフト配信のために使ったもの

私用と配信の両方に使うものは、配信に必要だったとはっきり分けられる部分だけが経費になります。使った時間の割合など、分けた根拠をメモしておきましょう。

高い機材を買ったとき

  • 10万円未満:買って配信に使い始めた年に、全額を経費にできる
  • 10万円以上:原則として、何年かに分けて経費にする(減価償却)。20万円未満なら、3年で均等に経費にするやり方も選べる
  • 青色申告をしている人:条件を満たせば、40万円未満の機材(2026年4月1日以降に買ったもの。それより前は30万円未満)を、買った年に経費にできる(年300万円まで)

ゲーミングPCなど高い機材を買ったときは、どのやり方になるかを確かめておきましょう。

記録と書類を残す

  • TikTokのLIVE報酬の履歴や、出金の記録(スクリーンショットなど)
  • 機材などのレシート・領収書、ネットで買ったものの購入履歴
  • 企業案件の契約書、請求書、支払いの明細

開業届と青色申告

配信を事業として始めたら、税務署に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を出します。出す期限は、事業を始めた年の確定申告の期限までです。配信を仕事にするまでの道のりは「ゲーム配信をキャリアにする方法」で紹介しています。

事業所得で青色申告をしたいときは、「所得税の青色申告承認申請書」も出します。

  • 期限:原則、青色申告をしたい年の3月15日まで
  • その年の1月16日以降に事業を始めた場合:事業を始めた日から2か月以内

青色申告にすると、条件に応じて次の青色申告特別控除を受けられます。

控除額主な条件
55万円複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を付けて、期限内に申告する
65万円55万円の条件に加えて、e-Taxで申告する、または条件を満たす電子帳簿で保存する
10万円上の条件を満たさない青色申告者

青色申告特別控除は事業所得などが対象で、雑所得には使えません。


申告の時期と方法

  • 時期:確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。2026年分の申告と納付の期限は、**2027年3月15日(月)**です。
  • 方法:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内に沿って申告書を作れます。マイナンバーカードがあれば、スマホからe-Taxで出すこともできます。
  • 納付:申告と同じ期限までに納めます。振替納税、クレジットカード、スマホアプリ、コンビニなどで払えます。

企業案件の報酬などで、支払いのときに所得税が源泉徴収(先に差し引かれること)されている場合は、確定申告で払いすぎや不足を精算します。


よくある質問

事務所に入っていれば、確定申告は事務所がしてくれますか?

確定申告は、報酬を受け取った本人がします。TikTokの報酬は本人の口座に支払われ、その税金を納めるのも本人です。事務所の還元率や報酬の受け取り方は「ライバー事務所の還元率とは」で紹介しています。

配信で遊ぶゲームソフトは経費になりますか?

配信のために必要で、私用とはっきり分けられる部分は、経費にできることがあります。プライベートでも遊ぶゲームは分けるのが難しいので、迷ったら税務署や税理士に相談しましょう。

企業案件でインボイスの登録を求められました。登録は必要ですか?

インボイス(適格請求書発行事業者)の登録は、義務ではありません。ただ、登録すると、前々年の課税売上高が1,000万円以下で本来は消費税を納めなくていい人でも、消費税の申告が必要になります。取引先と相談したうえで、税務署や税理士に確かめてから決めましょう。

確定申告を忘れたら、どうなりますか?

気づいた時点で、できるだけ早く申告しましょう(期限後申告)。納める税金のほかに、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。

参考情報



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